『“良い土づくり”をする経営者でありたい』 沖縄特産販売株式会社|代表取締役社長 與那覇 玲

てぃーだスクエア(公式)

2019年03月13日 11:00


— 会長、前社長、に続いて3人目の代表取締役社長となりますが、今のお気持ちをお聞かせください



創業は、私の親父(現会長)とお袋(現副会長)が立ち上げた会社です。

そこに前社長で兄(與那覇 仁)と兄の奥さん(與那覇 暁子)とが支えるような形でスタートしたのが沖縄特産販売株式会社なのです。そんな中、豊崎地域の開発が進み豊見城市が日本の中でも成長率が非常に高いことに着眼し、前社長の與那覇仁がホテル事業と海外事業に取り組む新会社を設立しました。我が社にとっては、大きな新しい事業展開となります。

そのため、当社始めグループ会社の体制が変わり、私、與那覇 玲が沖縄特産販売の代表を受け継ぐという経緯となりました。


— 3代目の社長となるにあたり責任、覚悟、プレッシャーはありましたか?



約3年ほど前から私は、飲食事業の会社をグループ内で立ち上げて代表として経営してきました。3年ぶりに沖縄特産販売には帰ってくるような気持ちです。


沖縄特産販売株式会社 ヨナーズ店内と自社商品(一部)

2018年4月の役員会議に参加したときに我が社の今後のビジョンを検討しました。その結果、今まで運営した飲食事業は、沖縄特産販売に吸収合併することになり、私自身も沖縄特産販売に戻るような形で代表取締役社長就任を引き受けました。この2~3年はグループ全体が事業拡大の期間でした。

と同時に私は「数値の可視化」という取組みをした期間でもありました。グループ内でも複数の事業が専門分野で動くことになりました。そのため、どの事業とも「基準」が必要となります。

例えば「粗利率の基準」は、部門の業種業態によってそれぞれ異なります。このあたりの「可視化」をここ2年くらい注力してきました。この数値の可視化と今後のビジョンの策定が自分のやるべき役割として取り組んでおります。今は幹部社員とともに定期的に話し合いをして「数値基準」の理解を深めて推進しています。


— 今後の御社の“ビジョン”をお聞かせください





グループ全体で、製造業、卸・小売事業、通販事業、物流センター、コールセンターなどそれぞれの役割が明確になってきました。
グループ全体での従業員は、お陰さまで二百名を超えるまでに成長したことで、創業一族で始めた我がグループもいよいよ“次のステージ”に行きたい。そのために、社長を5名輩出したいと考えています。
各事業、各企業で進めていく上で1人の社長で進めていくことと、5人の社長が進めていくことでは当然「スピード感」が違います。そのスピード感を持って事業を進めて行くことがとても重要だと考えています。

その社長を輩出する環境づくりが、私が考える今後のビジョンの一つです。

人は企業の中で、関わる仕事、関わる人によって成長していくと思っています。我が社の従業員もいずれ課長になり、部長になりと我が社の重要なポストを担ってもらうよう、社員が夢を持てる会社、その思いを形にできる人材育成が私の役割だと思います。

これから分社化が進み、通販事業部が通販会社やコスメの会社となり、貿易事業部が新会社となっていく、さらに新規事業に取り組む会社も誕生するというようなグループビジョンがある中で核となってきた沖縄特産販売としてのビジョンは“組織づくりの拡充”図ることだと考えます。

與那覇修(初代社長)、與那覇仁(二代目社長)の突進力はこの創業から24年間欠かせないものでした。

次のステージでは、家族経営をしてきた企業が未来永劫続いていける企業を目指す中で『沖縄から世界へ』が経営理念にも込められております。

世界に発信していこう!という心構えを持って仕事に取り組めば、世界中どこで働いても通用する人材になるだろうという考えです。地場のモノで地場の人たちが喜ぶようなことをやれれば、地域活性化につながることができます。
沖縄でぼくらも地域に対してまだまだできていないこともある。ここから3年は地場の沖縄に集中して力を入れて地域貢献できるような基盤作りに注力したいと思います。


— 御社の求める人物像は?



自燃性のある人。と、ありふれた言葉になりますが『利他の心』、相手の立場になってものごとを考えることができる人。
※自燃性とは、京セラ・第二電電(現KDDI)の創業者である稲盛和夫氏の造語です

例えば、今までのぼくらでは営業職でも売上予算を掲げそこに向けて動いていくという当たり前のようなことをやってきました。それ自体は良いのですが、お客様に対する「心得」の「共有」が不十分でした。
ただの押し売りになってはいけない。何をすれば相手の人のお役に立てるのかを考えられるのか、同じ営業、商売であっても相手の立場を理解して何を必要としているのかを考えることが一番基本的なことだと思います。

基本的なことですが、大切にしたいですね。

AIも凄いことだと思いますし便利な世の中ですが、だからこそ人と人とのリアルな部分を大切にしていきたい
家族の和を大切にしたい。お客様、会社の仲間、パートナーがお互いを尊重し合えるような仲を大切にしたいと思います。


— 御社ではどういう人が活躍してますか?印象深い人はいますか?



あっはっはは。いっぱいいますよ(笑)



ひとりだけお願いします(笑)

当真(とうま)という男がいまして、高卒で入ってきた彼が若い頃、昇進のことで自分の思い通りでなかった人事に対して、寡黙だった彼が初めて上司に噛みついてきました。
当時の上司が私だったのですが、そのときに彼と向き合い徹底的に話し合いました。
結果、彼はその状況を受け入れて前向きに仕事へ取組み始めたのです。
そのときに感じたことは、人は「素直さ」がとても大切だと感じました。

寡黙だったと思っていた彼とも、そのときからいろいろ話しをするようになり仕事もどんどん任せるようになってきましたね。
今ではその当真は工場長になってます。そして、今でも向上心をもって成長過程にあります。


— 御社のキャリアプランはどんなものがありますか?



終身雇用ではないですが、明確な賃金制度(体系)があります。
何年後には課長になり、部長になり、という指針となる明確な賃金制度があります。
もちろん年齢を重ねただけで賃金があがるわけではなく、成長しなければあがっていかないので、その成長というものに対する明確な可視化できる制度があります。
それともう一つ、成長支援制度があります。いたってシンプルな構図なのですが、先輩が後輩を教えるという仕組みです。各分野において期待成果という部分と、その期待成果を達成する為の重要業務、重要業務を達成する為に必要な知識・技術、最後にくるのが勤務態度というこの4つの大きなカテゴリーを詳細に分けています。

これは、凄いですね。人生設計、成長設計ができますね。


※一部 画像をぼかしています

一般職、中堅職、部長職、と三段階に分かれて順調に成長していけば例えば約40万円以上(部長職)は自身の成長によって獲得することができるということを明確な賃金制度があります。
それを支える成長支援制度というのがあるのです。

1.期待成果
2.重要業務
3.知識技術
4.勤務態度

上記の各項目に対して3つの確認項目をつくり、その3つの項目をさらに細かいシートに細分化して
落とし込む成長シートがあるのです。これがうちの成長支援制度です。


この中で、我が社は、“勤務態度”に注目しますね。

ここは人間として、社会人として、とても重要です。
これができていない人は、管理者になる人ほど、売上トップとかではないのです。
一番大切に考えるのは勤務態度なのです。
基本的なことができるかどうか?人は傲慢になったり怠慢になったりする生き物だと思います。新人のときには、みな素直だったのが営業成績でトップだったり業務スキルが身につき何年もすると横柄になったりする人も出てきます。
でも、どんなに成長しても人として常に謙虚でいて、基本的なことができる人、挨拶だったり思いやりだったり無遅刻だったりがいくつになってもどんな立場になっても常に初心の頃でいられる人こそがとても大切であり重要なのです。同僚や部下は常に見ているのです。
だからいくつになっても立場が変わってもスキルがあがっても、けして驕ることなく、常に謙虚な姿勢で基本的なことを手抜きしないということです。
私たちの会社ではこの「勤務態度」という項目を最も重要視しております。

成長支援制度というのは、一言でいうと相手の立場になって考えられるかということ。
仲間と一緒に考えてあげられるかということです。この成長支援制度の中で、業種業態毎の「成長シート」があり「個」の成長を数値をもって「可視化」する事が出来ます。
私は人に点数をつけるということは好きではありませんが、数字が一番公平だと思います。
この制度を2年前から導入に向け準備し、テスト運用を経て来季から本格導入になります。

こういう人事考課制度、キャリアプラン制度を導入するということは、ただ利益追求、売上を上げれば良いというだけの考えではないのです。
そこで一緒に仕事をするスタッフ、パートナー企業が会社という環境の中で、仕事を通じて「成長」する機会が得られる場所であるようにこのような制度を設けているのです。
もちろんこのような仕組み、制度を入れるというのはコストが掛かりますね。例えお金を掛けてでも社員の為には必要だから行うのです。
人が成長するには、人が幸せになるにはどうすればいけないのかを考えるのが経営側の役割だと思ってます。

会社の中で責任のある立場になっていく人は、やはり人の痛みをわかる人間でなくてはいけないと思います。
自分自身も鍛錬していける人でなければいけないです。自分のことより「利他の精神」を持って関わる全ての人のことを考えることができますか。。。というところに踏み込んでいきますから。
成長したいという気持ちがあれば、ずっと成長できると考えています。こちらも気づかされることが多々ありますからね。
私たちもまだ取組みが始まったばかりです。


— 未来のスタッフ、沖縄の若者へメッセージをお願いします



みんなで成長していける会社なので「沖縄から世界へ!」がキーワードです。一緒に働ける意欲のある方に是非来ていただきたいですね。

創業者の会長夫妻、仁社長夫妻がいて、私がいます。
創業者の想いを紡いでいくというのが私の役割だと思います。
次の世代を創るというのが私の役割だと思っています。

良い土作りをすること、良い土を耕すことができれば、いずれ良い花が咲くと思います。花を咲かせるのは次の世代になると思うので私は良い土づくりをしていく経営者でありたいと思います。
氏名:與那覇 玲(よなは れい)
年齢:45歳(昭和49年生まれ)
企業名:沖縄特産販売株式会社
役職:代表取締役社長
出身地:豊見城市(とみぐすくし)
出身校:豊見城南高校(とみしろみなみこうこう)⇒沖縄国際大学
趣味:ウォーキング
特技:特になし(学生の頃はバスケ部でした☆)
好きな映画:『24』、世界を救っているのに誰も認めてくれないというジャックバウアーが大好きだそうです(笑)
好きなマンガ:『スラムダンク』
好きなお酒:ジャック・ダニエル
行きつけのお店:Bar Accord(那覇市泉崎)
今どんな本を読んでますか?:『情熱経営に終わりはないー稲盛和夫』だいぶ擦り切れてきましたけど再度読み返す感じです。

【沖縄特産販売株式会社】
HP:http://okitoku.co.jp/
事業内容:
沖縄県の特産物や健康食品の卸・小売・通信販売・シークワーサー果実の加工販売、 飲料製品の加工販売・飲料製品・調味料・ジャム製品の製造、PB・OEM 商品対応・野菜チップスの製造、 輸入販売、加工資材の輸入販売・シークワーサー農場の管理運営、インターネット通販及び関連業務

関連会社:ヨナーズホールディングス株式会社
     沖縄OEM株式会社
      株式会社沖縄美健販売
     株式会社夢感動ファーム
社員数(社員・パート含む):グループ会社全体 従業員数203名(2019年3月時点)

◆沖縄特産販売株式会社の採用情報は『採用ブログ』から詳細をみてね!
https://okiyonars.ti-da.net/

【経営理念】
私たちは、ベンチャー精神をもってお客様に夢と感動を創造するありがとう創造企業に努めます。
私たちは、日々利他の精神ですべての人に接し、人格を磨き生活の向上を図ります。
私たちは、関わる全ての人の物心両面の幸福を追求し、地域社会の進歩発展に貢献します。








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