株式会社幸健ホームは、注文住宅や建売住宅の設計施工販売や、リフォーム工事全般を行なっている会社です。地震にも強い煉瓦造りの「本物の100年健康住宅」で、100年保つ家を手がけています。建てた後も、お客様に寄り添ったアフターメンテナンスが、クチコミで評判を呼んでいます。
— 御社の経営理念・事業内容を教えてください
まず事業内容の話からなのですが、現在、注文を頂いて建てる注文住宅が7割、建てた家を販売する建売住宅が3割で、今後は5対5の割合にしていきたいと考えているのですが、その中でもおすすめしたい主力商品が「100年住宅(正式名称「本物の100年健康住宅」)」です。
これまでの家というのは35年ローンを組んでも、家の寿命は大体27年くらいで、住宅ローンが残ったまま、取り壊して新しい家をつくっているんですね。でも海外では、築100年、120年、140年とか言われていて、素材が煉瓦(レンガ)なんです。そこで弊社では、地震にも強い煉瓦で100年保つ家づくりを行なっています。煉瓦のメリットはそのほかにも、土を焼いた素材の色そのものなので、ペンキなどの塗装の劣化とかがないんですね。それから、熱を溜めないという利点もあります。コンクリートは熱を溜めてしまうので家の中が暑くなるんですよ。構造としては、いちおう骨組みは木造住宅の骨組みで、外側を煉瓦にするので2重構造になっているんです。煉瓦の基礎もあるし、縦筋も横筋の鉄筋が入っているので地震に耐えられるようになっています。
幸健ホーム 主力商品「100年住宅」の実績一部
実際に17年〜18年前にうちが手がけた煉瓦住宅が北谷町にあるのですが、それよりも新しい14年〜15年前に建てた他所様の物件はもう劣化していまして、それを見たお客様は、その価値が一目瞭然でわかります。
もうひとつ力を入れているのが、アフターメンテナンスです。煉瓦造りの家でも、お客様によってはウッドデッキ部分があったりします。2〜3年経つとウッドデッキの塗装が剥がれたりするので、新しく塗り直したり。台風のあとはタイルが汚れたりするので洗浄したり。それをすべて無償サービスで行なっているんです。お客様も「ここまでやってくれるのか」と驚くほどに喜んでくれます。お客様の満足度は、クチコミなどで広がり、広告を打つよりも効果があって、ほかのお客様もご紹介に繋がっていったりしています。最初の頃はあまり売れなかったのですが、今ではクチコミで広がって逆転し、売れています。
そして、経営理念については、こちらになります。
■経営理念
1全従業員の物心両面の幸福を追求し、世界に感動住宅を提供する
■活動指針
1. アフター工事を全てにおいて優先する
1年点検3年点検5年点検10年点検 台風メンテナンス
2. 感謝報恩の心で働きます
3. 全従業員・お客様・取引業者様を尊敬し、互いの繁栄を願います。
4. 自分のなり得る最高の自分を求め、仲間の夢を支え合います。
5. 労働生産性を高め、時間を効果的に使います。
6. 謙虚にして驕らず、常に正しく行動します。
上記の「感動住宅」とは、弊社の「100年住宅」のことで、健康にも配慮したつくりになっています。家というのは、クロスの糊の臭いやカビなどで不健康になることがあるんです。煉瓦はもともと自然素材であるため、アトピーや喘息があるかたや血圧が高いかたに優しく、健康素材であることの根拠を示すため、ドクターの認証も取っています。物心両面の幸福と健康を追求していきたいですね。
煉瓦の料金も、コンクリート住宅と比べてみても、ほぼ同じくらいか、むしろすこし安いくらいですね。お客様も嬉しいし、その喜びの声は従業員のモチベーションも上がり、やりがいが出てきますし、会社としても嬉しい結果に結びついたりしています。この「感動住宅」を世界に提供していきたいと思っています。
(右)幸健ホーム製品の一部
— 代表になったキッカケや経緯・これまでの経験を教えて下さい
もともと私は京都で大手の住宅会社に勤めていたのですが、沖縄で空調会社を経営していた父が創業した会社をその代で閉めるか、あとを継ぐかどうかを決断し、27歳のときに引き継ぎました。
でも、やっぱり
これからは住宅だなと。空調整備の仕事は、元請けや設計事務所とのやりとりになり、直接オーナーとはやりとりしないので完成しても喜びや達成感があまり感じられなかったのですが、
住宅というのは完成してお客様が入居される際に、奥様にもお子様にもとても喜ばれますよね。これは作り甲斐があるなと。32歳のときに、住宅部門を立ち上げました。
— 引き継がれた際の苦労や事業での失敗談、ターニングポイントについて教えてください
先代の創業者も、「いつも社員を大事にしなさい」と言っていたのですが、当時はなかなか大事にしてこなかった。大事にしないとしっぺ返しが来ることもあったんですね。そこで私の代になってからは、ガンガン営業するのもよいけど、もっと物心的にも社員のことをみていかなければいけないと思い、すこしずつ改善していきました。
今では、建設業の中でうちは完全週休二日制を実現しています。大手ゼネコンも土日仕事していたりと、下請けはどうしても出勤しなければならなかったりしますが、うちは2018年からシフト制にして完全週休二日にしています。残業もなく、今年のゴールデンウィークもあたり前ですが10連休でした。でもやっぱり、現場監督は責任感があるので、休みでも現場に足を運んだりもしましたが、心のゆとりは全然違いましたよ。
— 御社の10年後について、ビジョンを教えてください
2017年に沖縄県建築産業グローバル化推進補助事業の認定をもらい、我々はベトナムなどアジアに販路を拡大していこうということで、ベトナムを行ったり来たりしています。現在、全社員14名中、ベトナム人が6名いて来月には2名来ますので計8名に増える予定です。この技能実習は3カ年で、2ヶ月後に再入国して延長2年の合計5カ年までの契約なのですが、5年間で日本語と建築のノウハウを学んで帰国しても、現地で彼らの仕事が少ないんですよ。なので5年後は彼らと一緒にベトナムに渡り、向こうで事業展開していこうと進めています。
外国人の技能実習というと、人手不足を解消したいという発想での活用もあるかと思いますが、そうではなく、もっとビジョンを持ってやっていきたい。彼らが得た日本の技術や日本語を活かす方法として、ベトナムで現地雇用で再度雇うことでそれを実現していけます。これまで沖縄で培ってきた同じような家づくりをベトナムでも行いたいのです。また彼らを現地雇用することで、日本に転勤してもらうこともできるのです。そして彼らに夢を聞くと、ほとんどが家族や親のために家をつくりたいというんですね。それをボランティアでなく、ビジネスとして展開できるようにしていきます。
また、ベトナムなど海外のフィールドで活躍したいという日本の若者、沖縄の若者にもその可能性とチャンスがあるのです。沖縄と海外(ベトナム)に架け橋を、ビジネスでつくっていくことができるのです。
— 一緒に働きたいと思う人物像を教えて下さい
自分が若い頃はあまり勉強してこなかったので今となってわかるのですが、勉強したほうが良いですよ。学歴は力になりますし、何より、知識があったほうが大人になって困らない。勉強することで視野も広がるし、勉強できるっていうことは、忍耐力もあるし、継続力もあるし、向上心もある。
そして勉強以外にはコミュニケーション能力も大事になってきます。勉強がインプットなら、コミュニケーションはアウトプット。学んだことを発信するのは苦手という人は、SNSやブログを活用して、もっと人に伝えること、学んだことを教えることを通して、自分を磨いてもらえたらと思います。
— 未来のスタッフへ・沖縄の若者へメッセージをお願いします
昔は貧しかったけど、心は豊かだったといいますが、今ではどうでしょうか。朝から晩まで働き続けたら、豊かな心は生まれてきません。心豊かになるためには、まずは身近な家族とかを大切にしてください。うちなーの肝心(ちむぐくる)、沖縄の文化は大事だと思っています。とくに海外や本土とかを渡り歩くのには、横のつながりは大事になってきますし、文化を大事にしながら仕事をしていくと良いのではないでしょうか。